1時間2,500円・定期利用可、レンタルスタジオ「レガージェ」。
内覧OKとも書いてある。
これが、私のお教室経営の ”ご縁” でした。
軽い気持ちで始めたダンスや習いごと、気がついたら先生になれる腕前に。
そして、「大好きな事で飯を食う」いや、この魅力ある習いごとを「世に広めたい」とそんな気になった。
しかし、銀行から借り入れをし、教室を開くリスクを受け入れるのも・・・。
また、自宅の一室を教室・スタジオにとも考えたが、スペースやアクセスの事を考えたら非現実的。
そんな時、一枚のチラシが目にとまった。
1時間2,500円・定期利用可、レンタルスタジオ「レガージェ」。
内覧OKとも書いてある。
これもなにかのご縁と感じ、電話をしてみた。
感じの良い男性の方が、「一度スタジオを見てから、ご検討なされたら」と優しく言ってくれました。
レンタルスタジオ「レガージェ」さんの住所を改めて確認すると、大久保駅徒歩一分。
新宿駅から歩いても12~13分との事。
電話口の店長さんも、「天気の良い日は歩いて出勤している」との事。
内覧予約をして、電話を切った。
なにかが動きだした。
そんな気を感じた。
内覧予約日、少し風は強いがとても良い天気。
勝手知ったる小田急デパートの前から店長さんが言うように歩いてみた。
どこも曲がらず真っ直ぐ歩いた。
風がとても強く、髪がバサバサとなびく。
しかし、背中を押す風が心地よく、勇気をもらったような気になる。
スマホでMAPを確認しながら歩いた。
右上に看板を発見。
レンタルスタジオ「レガージェ」と書いてある。
地下一階との事。
階段を緊張しながら降りる。
ただの内覧なのに、とても緊張した。
白い大きなドアの前に立ち、チャイムを鳴らした。
心臓がバクバクする。
この歳になってこんなに緊張するとは、なにか不思議でなんとも言えない気がした。
「はーいどうぞ ♪」と中から電話でお話した店長さんの声がした。
大きな鏡の前で、体格の良い店長さんがほほ笑んで迎えてくれた。
白い壁に、大きな鏡。
明るいスタジオでとても綺麗。
微かに聞こえるBGM、そして店長さんの優し気な笑顔。
全身の力が抜けていく。
いや、緩んでゆく。
そして、私の「お城」と、そう感じた。
靴を脱ぎ中に入り、店長さんに設備・備品の紹介・説明を受ける。
オープン一年との事で、全てが新品。
施設も備品も全て綺麗。
一通りの説明を受けてから、店長さんが言いました。
「お手洗いもご覧ください」と。
少しびっくりしましたが、店長さんの言う通り見てみることにいたしました。
入り口ドアを開け左手に二歩。
とても清掃の行き届いたトイレ。
新築のせいだけではない。
感心して、「業者さんが行っているのですか?」と尋ねてみたら、「私がしております」とニコっと笑った。
男性の店長さん自ら行い、尚且つ綺麗。
うちのバカ息子に見せてやりたい気になった。
トイレが綺麗というのは、とても気持ちいいし、” 人となり “が現れる場所でもある。
店長さんのニコッと笑われた顔が可愛かったせいもあるが、緊張がすっかりほぐれたのであろう、「お子さんは」と余計な事まで聞いてしまった。
わたくしの悪い癖、すぐ家庭の事を聞いてしまう。
店長さん、満面の笑みを浮かべながら「娘がおります」と。
なんとも言えぬ笑顔になった。
くちゃくちゃな笑顔になった。
スマホを取り出し、お嬢様の画像を見せてくれました。
店長さんと言うより、既にパパの気配。
やはり、父親は娘が可愛くて仕方ないのだと、改めて感じた。
お嬢様も習いごと、いやご活動をされていて、その関係者も「稽古場」にこのレンタルスタジオ「レガージェ」を使用しているとの事。
スタジオもトイレも綺麗で、家庭も大事にされていると、そうお見受けした店長さん。
もう迷う事なく、「長期・定期利用で契約できますか ?」と尋ねました。
店長さん、すっきりした笑顔に戻り、「週一・二時間でひと月8時間、レンタル料金2万円から、お始めにならたら」とアドバイスをしてくれた。
わたくし、反射的に「週二回の開催、一回二時間でお願いしたい」と言ってしまいました。
大見得を切ってしまった。
完全にやる気満々になってしまった自分が、少し恥ずかしい。
しかし、これでもレンタル料金=賃料は4万円である。
万が一上手く行かなくても、致命傷にはならない金額だと、そう自分に言い聞かせた。
いや、” 奮い立たせた “ のであろう。
店長さんに予約カレンダーを見せてもらいながら、数ヶ月先まで予約を入れた。
すっかり店長さんと打ち解けて、いらぬ話しをしながら長居をしてしまった。
また、わたくしの悪い癖が出てしまい、今度は「生徒さんを集めるためには、やはりWebネット集客ですか ?」と質問してしまった。
スペースを貸すご商売の方に、集客方法まで聞いてしまうとは、なんとも図々しい自分と思い、また恥ずかしくなってしまいましたが、店長さんの笑顔を見ていると、甘えるのもアリなのであろうと、そんな気になってしまいました。
店長さん、「もちろん今のご時世ネット集客は必要不可欠です。わたくしも検索エンジンに上位表示されるように、目を三角にして日夜時間と労力を使っております。しかし、チラシというモノも無視できません」と、またニコっとほほ笑む。
「お客様とこうしてご縁ができたのも、チラシですよね」と深い目をして、彼はつぶやいた。
続く。
店長より
当店ご利用の佐藤様(仮名)にお願いし、開業日記を書いていただきました。
当店の宣伝もさることながら、実際の先生稼業スタートの声を皆さまに感じて頂けたらと考えました。
手前みそで少しお恥ずかしいとも感じましたが、独立・開業の一つの参考としていただけましたら、幸いでございます。
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